【特別受益】贈与の持ち戻し

特別受益とは

特別受益とは、相続人の中に結婚するときの援助や、借金を返済してもらったり家を建てるときに土地をもらったなど、通常の扶養の域をこえて受け取った財産のことです。
このように、一部の相続人だけが被相続人から特別に利益を得ていた場合、相続の時の不公平感をなくすために相続財産には特別受益分も含めて(持ち戻して)計算することとなっています。

特別受益の例

以下のようなものは特別受益にあたる可能性がありますが、実際に特別受益となるかは、各々の家庭の経済状況によって変わってきます。

  • 結婚資金として多額の資産をもらった
  • 養子縁組に伴い多額の資産をもらった
  • 事業資金を援助してもらった
  • 住宅資金の提供や土地建物をもらった(夫婦特例あり)
  • 親の事業を継ぐために会社の持つ事業資財を譲り受けた
  • 通常の扶養の範囲を超えた資金の援助

特別受益とはならないものの例

以下のようなものは特別受益にはなりません。

  • 相続人以外の者への贈与、遺贈
  • 扶養の範囲を超えない生活費
  • 生命保険金
  • 被相続人が持ち戻しを免除した時
  • 婚姻期間20年以上の配偶者への住居の贈与

相続分の計算

みなし相続財産

被相続人が相続開始時に持っていた財産の額に特別受益分を加算したものをみなし相続財産とよびます。

個々の相続分の計算

みなし相続財産に各相続人の相続分の割合をかけたものに特別受益贈与財産を加算して各相続人の具体的な相続額を求めます。

計算結果で相続額が0やマイナスとなった相続人は相続を受けることは出来ない。マイナスの額については他の相続人の遺留分を侵害している場合は、遺留分侵害額請求権を使って請求することとなります。
別の記事【遺留分】相続人保護の制度を参照してください。

贈与額の算定

贈与の持ち戻し額の計算は相続時の価値で評価します。
たとえば、金銭で贈与されていた場合には、贈与時の貨幣価値を相続開始時の貨幣価値に変換して持ち戻し額とします。
不動産や動産についても同様に相続開始時の評価額に換算します。

不動産屋や動産がすでに処分や変更されている場合のように、贈与された者によって価値が変更されていたとしても、相続開始時点で贈与時から現状のまま存在するとみなして評価します。

まとめ

特別受益とは相続人間での不公平を解消するための制度です。しかし、特別受益に該当するかどうかは被相続人や相続人の環境により評価が分かれます。相続人の中に、明らかにひいきにされて公平とは言えない額の贈与を受けていた人がいて、納得がいかないのであれば、まずは遺産分割協議の場などで制度の趣旨を伝えて話し合ってみてはどうでしょうか。
また、多額の贈与のせいで遺留分まで侵害された場合は、遺留分侵害額請求の行使も検討する必要があるかもしれません。

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