相続土地国庫帰属制度について

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相続土地国庫帰属制度が創設され2024年4月運用開始

土地を相続(遺贈)で入手したものの利用予定もなく売却も困難など、管理に負担を感じて手放したいと考えている方が増加していることに対して、国としてもすでに大きな問題となっている所有者不明土地の増加を抑える必要もあるため、土地を手放して国庫に帰属させる「相続土地国庫帰属制度」創設され2024年4月運用が開始されました。
また、相続した土地の登記を促すために「相続登記の申請の義務化」も同じく4月より始まっています。相続した土地の登記を正当な理由なく怠っていると10万円以下の過料の対象となります。

所有者不明土地の増加とは

相続などで土地の所有が移動したのに所有者の登記がされないことが繰り返されていくうちに、不動産登記簿を確認しても所有者が分からない土地、または所有者は分かっていてもその所在が不明で所有者に連絡がつかない土地が日本中で増加し、現在国土の20%以上にも及んでいるのです。

これらの土地のほとんどは管理されていないため、周辺の環境に悪影響を与え、防災対策にも着手できず公共工事や開発事業などの足かせとなり、着実に将来の日本経済に悪影響を与え続けていくことでしょう。

「相続土地国庫帰属制度」と「相続登記の申請の義務化」は今現在、不要土地の管理に頭を悩ませている方だけでなく、これからこの国で生きていく次の世代の子どたちとってもとても意味のある制度であると言えます。

相続放棄との違い

よく、不要な土地は相続放棄すればいいと思われている方がいますが、相続放棄は相続の権利、義務すべてを放棄することになり、これは必要これは不要など、選んで放棄することのできる制度ではありません。
相続した土地のなかで裏山はいらないので放棄しますとはできません。放棄するなら居宅等の不動産から預貯金等の全てを放棄することとになります。

相続土地国庫帰属制度の利用条件

制度を利用するには以下のような条件があります。

申請が出来る人

相続(遺贈)で土地の所有権を取得した人(共有地なら共有者全員で申請)
※相続(遺贈)以外で入手したものは申請できません。建物は対象外です土地のみです。

制度の対象とならない土地

【申請できない土地】
1.建物の存在する土地
2.担保権等の権利が設定されている土地
3.以下のように他人による利用が予定されている土地
  ①通行のために使用されている土地
  ②墓地内の土地
  ③境内地
  ④水道用地、用水路、ため池等に使用されている土地
4.特定有害物資に汚染されている土地
5.境界や所有権等に争いのある土地

【承認されない土地】
6.崖(30度5M以上)が含まれ今後の管理が難しい土地
7.工作物、車両、樹木などのため利用・管理が難しい土地
8.除去しなければ利用が難しい埋設物が埋まっている土地
9.隣接地の所有者、その他利害関係者と紛争の可能性がある土地
  ①隣接地を通してもらわないと公道に出れない土地
  ②勝手に使用しているが簡単に退去しそうにない者がいる土地
10.以下の理由により管理・処分に過分の費用・労力が必要な土地
  ①災害の防止のための対応が必要な土地
  ②動物の被害が近隣に被害を与える可能性のある土地
  ③将来、国が管理費以外に法令に基づいた債務を負担することとなる土地
  ④国が引き受けることで申請者の金銭債務を引き継ぐこととなる土地

審査手数料

審査を受けるためには申請時に一筆当たり15,000円の審査手数料を払う必要があります。
この手数料は申請が却下、不承認となった場合または取下げても返却されません。

負担金について

審査が承認された場合、負担金を支払うことで申請した土地が申請者の手を離れ、国庫に帰属することになります。
負担金は10年分の土地管理費を指定の期日までに支払う必要があります。支払わないときには失効してしまいますので、最初からやり直すことになり審査手数料も再度納付することとなります。

宅地

原則、面積にかかわらず一筆20万円

例外、市街化区域または用途地域が指定されている地域

面積負担金
(千円未満切り捨て)
50㎡以下面積㎡×4,070円+208,000円
50㎡超~100㎡以下面積㎡×2,720円+276,000円
100㎡超~200㎡以下面積㎡×2,450円+303,000円
200㎡超~400㎡以下面積㎡×2,250円+343,000円
400㎡超~800㎡以下面積㎡×2,110円+399,000円
800㎡超面積㎡×2,010円+479,000円

田・畑

原則、面積にかかわらず一筆20万円

例外
 ・市街化区域または用途地域が指定されている地域内の農地
 ・農業振興地域の整備に整備に関する法律の農用地区域内の農地
 ・土地改良事業等の施行区域内の農地

面積負担金
(千円未満切り捨て)
250㎡以下面積㎡×1,210円+208,000円
250㎡超~500㎡以下面積㎡×850円+298,000円
500㎡超~1,000㎡以下面積㎡×810円+318,000円
1,000㎡超~2,000㎡以下面積㎡×740円+388,000円
2,000㎡超~4,000㎡以下面積㎡×650円+568,000円
4,000㎡超面積㎡×640円+608,000円

森林

面積に応じて

面積負担金
(千円未満切り捨て)
750㎡以下面積㎡×59円+210,000円
750㎡超~1,500㎡以下面積㎡×24円+237,000円
1,500㎡超~3,000㎡以下面積㎡×17円+248,000円
3,000㎡超~6,000㎡以下面積㎡×12円+263,000円
6,000㎡超~12,000㎡以下面積㎡×8円+287,000円
12,000㎡超面積㎡×6円+311,000円

その他(雑種地、原野等)

面積にかかわらず一筆20万円

参照先:総務省・相続土地国庫帰属制度の負担金 

申請先ほか

国に引き取ってもらいたい土地を管轄する法務局の本局に申請します。熊本であれば熊本法務局の本局(中央区大江)になります。
承認、不承認等の結果が出るまでには半年から1年ほどかかります。
申請にあたっては基本的に本人が申請書一式を用意する必要がありますが、提出前に法務局で事前相談を申し込んで内容を確認してもらうことも出来ます。
なお、申請書類の作成の代行は、弁護士、司法書士、行政書士に限って行うことが出来ます。

当事務所でも申請書類の作成代行が可能ですので、熊本県外に在住の方などご自分で動くことが難しい方はぜひご相談下さい

熊本市北区の行政書士事務所フォレストでは
各種許認可や遺言・相続に関するサポートを行っております。
お気軽にお問い合わせ下さい。

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